THEME
テーマアーカイブ
VDPではその年ごとにテーマを設定し作品を募集しています。
テーマごと集まったインスピレーション豊かな映像作品によって東南アジアの世界を知ることができます。
VDP2023
THEME 笑!
笑い、ユーモア、コメディはどの社会にも存在して、人間社会の普遍的な特徴です。これらは私たちを繋げる役割を果たして、多様な反応を引き起こします。今年は、東南アジアのコメディ、ユーモア、風刺から何を学べるかを探るために、笑いをテーマに選びました。笑いの重要性について一緒に考える機会になればと思います。人々はどのようにして笑いを追求し、引き起こし、または何を目指すのでしょうか?また笑いはどのように捉えられているのでしょうか? 今年選ばれた4本の映画は、それぞれ各地域社会のユニークな側面や人間関係を映し出しています。
VDP2021
THEME 死と生と
どの文化にも死生観があり、生きること、避けることのできない高齢化、自分自身の死と向き合うことなどについて考える機会を与えています。死と生という消えることのない現実は、私たち人間のありようの基本条件を定め、それが様々な課題に対する社会の反応を経験的に形成する方法を定めています。2021年度VDPの国際選考委員会は、幅広い題材を扱った5つの作品を入選作品に選びました。市民不服従と死の危険(ミャンマー)、暴力とトラウマ(ミャンマー)、ロックダウン下で静かに生死を想うこと(ベトナム)、過去の回想(ベトナム)、歳を重ねることと高齢者のケア(マレーシア)にまつわる作品です。これらのドキュメンタリーは、地域を越えて死と生が表す一連の過程や経験や意味を私たちに深く考させる作品です。
上映作品
ドラム・レボリューション
ミャンマーサイチョーカイン
心の破片
ミャンマーナン・キンサンウィン
8月の手紙
ベトナムマイ・フエン・チー(チー・マイ)&スアン・ハー
リエンさんの造船所
ベトナムグエン・トゥー・フオン
黄昏
マレーシアリリー・フー
VDP2020
THEME 愛
わたしたちは、愛について、いったい何を語るべきでしょうか?さまざまな背景をもち、異なる文化の中で暮らすひとびとには、他者への気持ちを表現する方法がいくつもあります。愛は、ひととひととの関係を築きます。愛は親密な関係をもたらすものであり、情熱を呼び覚ますものです。愛は、まるで雷に打たれたかのようにひとを突き動かすことがあります。また、はかなく、秘められた愛もあります。長い歳月を経て育まれる愛もあります。愛には、個人や家族や共同体や国に対するさまざまな表現や理解があることに気がつくかもしれません。映画はひとの視覚に訴えます。とくにドキュメンタリー映画という形式は、東南アジアにどのような親密性の文化があるかという問いに多くの答えを与えてくれることでしょう。東南アジアの映像作家が、このもっとも興味をそそる感情について、いかに解釈し、表現するかを、皆さんとともにさらなる理解を深める機会になればと願っています。
上映作品
紅酒鶏
マレーシアグレース・チュン・ライウイ
父を想う
ミャンマーエー・チャン
伴侶さがし
インドネシアワフユ・ウタミ
アルヤの絡まった髪の毛
インドネシアシディック・アリヤディ
シンプル・ラブストーリー
ミャンマーニン・パ・パ・ソー
VDP2019
THEME ジャスティス
長年にわたり、多くの国際組織や政府機関、NGOが、ジャスティスという理想を通じて東南アジアの人々の暮らしの改善を訴えてきました。経済、社会、環境、そしてとりわけ政治的な事柄において、ジャスティスは、公正と公平な待遇に関する現在進行中の踏み込んだ対話の中心に存在しています。けれども、ジャスティスは一つの理想としては実に価値中立的な言葉ではありませんので、ジャスティスの解釈に関する主張をめぐって、様々な当事者の間でしばしば対立が生じています。この20年間で国際的なジャスティスの観念が普及し、ある程度の標準化が見られました。しかし、東南アジアなどの地域では、多くの当事者が常に多様なアカウンタビリティの必要性を叫んでいるにもかかわらず、それぞれの国に即した規範と原則の妥当性には問題が残っています。2019年度VDPでこのテーマを選んだ事で、東南アジア地域におけるジャスティスの解釈のあり方について、さらに理解を深められればと思っています。
上映作品
物言うポテト
ミャンマーセインリャントゥン
あの夜
フィリピンジェレミー・ルーク・ボラタグ
叫ぶヤギ
タイタンサカ・パンシッティウォラクン
落ち着かない土地
ベトナムグエン・ティ・カーン・リー
私たちは歌で語る
インドネシアドニ・プトロ・ヘルワント
VDP2018
THEME 東南アジアとポピュラーカルチャー
言うまでもなく、東南アジアは極めて多様性に富む地域であり、これまで受け継がれてきたポピュラーカルチャーにもその特色が色濃く反映されています。大衆音楽や芸術、文学、演劇、喜劇、舞踊、スポーツ、そして映画といったいずれのジャンルにおいても、東南アジアは地域に共通する文化を制作し消費する巨大な存在です。プロジェクトの発足以来、様々なカルチャーを題材にしたドキュメンタリーが多数届いており、2018年度はその受け皿を広げるべくテーマを設定しました。応募作品は、ポピュラーカルチャーとは何か、その解釈を主題にしたものが多く、その中から、私たちは、東南アジアで進む近代化とグローバル化の流れと脈動を描いた5作品を選びました。コスプレ(タイ、ベトナム)、武術(インドネシア)、演劇(カンボジア)、ラップ音楽の拡散と進化(タイ)など、いずれも現在形で進行している文化伝承の断面をとらえたドキュメンタリー作品です。
上映作品
ラップタイ
タイチラカーン・サクニー、ウィチャユット・ポンプラサート、サルン・コーシットスックチャルーン
コスプレイヤー
タイインシワット・ヤモンヨン
カンボジア・シアター
カンボジアソペアク・ムァン
リトリト
ベトナムグエン・ゴック・タオ・リ
ザ・ファイター
インドネシアM・イスカンダル・トリ・グナワン
VDP2017
THEME 東南アジアの都市生活
東南アジアは着実に都市化しつつある。2025年までに、人口の50%弱が都市部に住むことが予測され、地方から都市への人口流入は人々の暮らしのあり方を大きく変えています。この変化が東南アジア社会にもたらす影響はいかなるものでしょうか。高層ビルや新興金融街のすぐ横にスラム街が接し、不法住民の強制退去や、ゲーテッド・コミュニティ(要塞都市)が増加していることは、よく知られています。大規模な再生プロジェクトや都市構造の再編が、東南アジアの都市生活を再形成しつつあります。これら都市化の結果、東南アジアはどのような姿に変貌するのでしょうか。また、多様な文化、伝統、価値観は、この変化とどのように共存していくのでしょうか。これらの課題を踏まえた今回のテーマによる作品募集の呼びかけに対し、東南アジアの若手映像作家たちが応え、幅広い主題の作品が集まりました。
上映作品
密告
フィリピンエドレア・カミール L. サモンテ、ニコール・パメラ・M・バレオ
私たちのヤンゴン
ミャンマーシン・デウィ
ABCなんて知らない
カンボジアノム・パニット 、ソク・チャンラド
黄昏の郷愁
インドネシアファジラ・アナンディヤ
しらさぎ
マレーシアロー・ヨクリン
VDP2016
THEME 日常生活のポリティクス
東南アジアの人々がどう政治と向き合うかという問題は、長い間日本やその他の地域で多くの学術研究の対象になってきました。今回は、特に、東南アジアの若者たちが、みずからが関心を抱いた政治的課題をどう描くのかを知りたいと考えました。どのような日常での交流が人々の政治思想の志向
を形作り、彼らはどのような政治的理想を抱いているのでしょうか。東南アジア諸国で起こる政治的デモの様子は、テレビや新聞でよく目にしますが、多くの場合、それはその瞬間だけの断片的なものでしかありません。そのような中、ドキュメンタリー映画の制作者は、今日的課題にどのように取り組み、また私たちは彼らからより深いレベルで何を学びとることができるのでしょうか。上映作品
ミスター・ゼロ
タイNutcha Tantivitayapitak
鉱脈
ミャンマーHtet Aung San, KO JET, Phyo Zayar Kyaw
60日
ミャンマーHtut Ye Kyaw, Sett Paing Aung, Pyay Maw Thein
母と息子
ミャンマーThwe Myo Nyunt
森に生きる女たち
マレーシア
VDP2015
THEME 越境する東南アジア
移動は、人間社会における基本的な行動です。東南アジアでは、移動はどのように個人、家族、コミュニティ、そして国家に影響をもたらすのでしょう?人々は、どのように旅し、何を求め、何を語り、彼らのどのような経験が東南アジアにおける移動を決定づけるのでしょう? 2015年12月、ASEAN経済共同体(ACE)が発足しました。域内の「モノ」「ヒト」「サービス」の自由化が進む今、各国政府は人の流動をどのように管理し、人々はそれにどのように応えるのでしょうか?
上映作品
我が政治人生
ミャンマーSoe Arkar Htun
私の足
ミャンマーKhon Soe Moe Aung
儚さ
マレーシアBebbra Mailin
ジウおじいちゃんへ捧ぐ
ベトナムHien Anh Nguyen
2人のマイケル
タイKunnawut Boonreak
VDP2014
THEME 東南アジアにおける人と自然
東南アジアの若手映像作家が制作する短編ドキュメンタリーを募集・上映するVisual Documentary Projectの上映会を開催します。今年のテーマは「人と自然」。9カ国60作品の中から選ばれた5作品の上映と、監督を交えたディスカッションを通じて、東南アジアにおける人と自然の関係について考えます。
空も山も、動物や草木虫魚にいたるまで、東南アジアにおける人と自然の関係はどのようなものでしょう? 人々は環境とどのように接するのでしょう? それぞれの文化を通じて、社会において、どのように自らを取り巻く自然について思考し、 感じ、触れ、共有し、語り合うのでしょう? 若手ドキュメンタリー映像作家から、東南アジアの人と自然の関わりを映した25分以内の作品を募集しました。 テーマは、人と動物の相互関係、環境問題、環境保護、自然災害や生物多様性など広く人と自然に関わるものです。VDP2013
THEME 東南アジアにおける多元共生
東南アジアの若手映像作家による映像作品から選考委員が選んだ5本の作品について、作家たちを交えた公開の映写会です。
東南アジアは長い歴史の過程で培われた社会・文化・政治・宗教的多様性を包含する地域です。移動や労働機会、モノの流れとともに人々が出会い、交錯する場であり、様々な「違い」を抱えた人々が共存しています。東南アジアの若い映像作家たちが自社会の多様性にどのように向き合っているかを学ぶフォーラムです。上映作品
パマナ・遺産
フィリピンGiselle Joyce Nadine de la Peña
路上にて
ベトナムMycuoung Le
タイのビルマ人
タイKantayalongote Suree
おもいやりを
タイPanu Saeng-Xuto
カンボジア 赤線地区での暮らし
カンボジアHem Vanna
VDP2012
THEME “Care”in Southeast Asia: Every Day and into the Future
“Care,” is one of the most important aspects of human life at any time in our life cycle and is a fundamental part of all societies. Yet, the term “care” is western and has no exact corresponding term in Asian languages. This film forum hopes to stimulate, and raise awareness of how Southeast Asian filmmakers consider the relevance and meaning of “care,” and how they visually document it in their own societies.Five documentaries were selected by an international committee from a total of 36 original entries submitted from the region. This is an open forum and we invite anyone who is interested to participate.