タイトル | 森に生きる女たち |
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監督 | Inshallah P. Montero |
監督・撮影・編集・執筆 | Inshallah P. Montero |
研究者 | Sunitha Bisan |
制作国 | マレーシア |
VDP上映年 | 2016 -日常生活のポリティクス- |
上映分数 | 15min |
使用言語 | 英語/マレー語/カヤン語/プナン語 |
字幕 | 英語/日本語 |
タグ | ボルネオ, 先住民, 女性, 妊娠・出産, 教育, 気候変動 |
作品紹介
マレーシア、サラワク州のボルネオ熱帯雨林は、産業・土地開発のための伐採により消えつつある。カヤン人とプナン人の女性たちは、この人工的な破壊とそれに伴う気候変動の影響により危険にさらされている。気候変動についての対策が、彼女らの性と生殖に関する健康と権利をどのように守れるかを対話から模索する。


Inshallah P. Montero
監督・撮影・編集・執筆
フィリピン出身。2012年デ・ラ・サール大学を卒業し、デジタルフィルム制作の学士号を取得。在学中、2011年にネスカフェ映像コンテストで最優秀賞を受賞した。また、卒業作品「Ang Lalaking Parisukat」はCINESBI 2012映画祭で監督賞と最優秀作品賞を受賞。また同作品はマンハッタン国際映画祭2013の受賞作品のひとつとなりニューヨークで上映された。現在、フリーのドキュメンタリー映画監督としてさらに精力的に活動している。
Sunitha Bisan
研究者
タイのアジア工科大学院の開発学・ジェンダーの修士号を持つスペシャリスト。ロンドン大学の法学部を卒業した経歴を持つ。ジェンダーおよび持続性のある開発学に関心をもち、コミュニティベースのジェンダー教育、擁護、知識の懸け橋に主軸をおく。

監督からのメッセージ
今回海外で単独でドキュメンタリーを制作するのは初めてだった。私はフィリピン出身のため、話す言葉は違ったが、部族の一員として私を受け入れてくれたように、私も共に暮らした人々について理解した。通訳を通して話を聞くと、彼らは心の内をとうとうと語り、私は彼らの怒りと苛立ちを感じた。このような素晴らしい人々に話す機会を与えることは光栄である。彼らの声を増幅し、それに当然の権利を与え、彼らの話を世界中で共有することができれば幸いである。
選考委員コメント
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清水 展
京都大学東南アジア地域研究研究所名誉教授 文化人類学
本作品は、「気候変動の隠された重荷」という副題を持つ。西マレーシア(北ボルネオ)サラワク州の森に住む、プナンやカヤンなどの先住民は、森林伐採による環境劣化と、それがもたらす変化の被害者である。かつて、先住民の「スーパーマーケット」であった豊かな森は伐採され、アブラヤシ・プランテーションの開発が急速に進む。安定した気候は一変し、雨季には集中的な豪雨をもたらし、洪水が頻発する。村で子供を育て、生活を守るのは女たちであり、食糧を取りに畑に出られず飢えに苦しむ。男たちは出稼ぎのために村を出て不在だからだ。逆に伐採のための労働者らが外から入ってきて、プナンやカヤンの女たちを性的搾取の対象とする。女たちのリプロダクティブ・ヘルスが危機にさらされている。パームオイルの生産のために先住民の暮らしの場である森が消え、生活の困窮と苦難をもたらす。環境破壊と、開発、人権、女性たちの健康と尊厳、等々、すべてが絡み合っている。