タイトル | おじいちゃんの水路は永遠にふさがれた |
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監督 | Som Supaparinya |
制作国 | タイ |
VDP上映年 | 2014 -人と自然- |
上映分数 | 15min |
使用言語 | タイ語 |
字幕 | 英語/日本語 |
タグ | ダム建設, 河川, 環境破壊, 船, 観光化 |
作品紹介
かつて水上交易の水路として使われてきたピン川。スクリーンには現在の川の様子と監督の祖父の時代の川の様子が並べて映し出される。1958年のプーミポン・ダムの建設によって、ピン川沿いの風景は大きく変わってしまった。小さなダムや水門を通り、水源からプーミポン・ダムへ。監督Som Supaparinyaは、スプリット・スクリーンという革新的な技術を駆使しつつ、観客を過去を理解し、現代社会の問題を検証する旅に誘う。
Som Supaparinya
監督
タイ・チェンマイ生まれ。チェンマイで絵画を学んだ後、ドイツ・ライプチヒに留学し、メディアアートを学ぶ。卒業後はチェンマイを拠点に、ビデオ&インスタレーションアーティストとして活躍。多数の国内・国際展に作品を出品する傍ら、チェンマイに現代芸術を普及させるための活動にも携わっている。
監督へのインタビュー
このドキュメンタリーを制作した理由は?
ピン川は、シャム王国からヨーロッパへのチーク材の歴史的な輸出ルートだったことに加え、私の家族の歴史にとっても重要です。私の祖父は、チェンマイからバンコクへ、ピン川を通り木材を運ぶ仕事をしていました。1回の輸送に3 ヶ月もかかる彼の仕事は、私たちにとってとてもミステリアスでした。今回のピン川のボートの旅によって、祖父が何を経験したかを理解できるようになりました。同時に、祖父の時代とは違う現代の問題を見つけることもでき、この電力への依存がもたらす影響についても興味を持つようになりました。
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- タイ
- 監督
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- 時間
- 19min
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- ベトナム
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- 監督
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