タイトル | 2人のマイケル |
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監督 | Kunnawut Boonreak |
制作国 | タイ |
VDP上映年 | 2015 -越境- |
上映分数 | 29min |
使用言語 | 英語 |
字幕 | 英語/日本語 |
タグ | ロヒンギャ, 国境地域, 文化的アイデンティティ, 民族対立, 避難, 難民キャンプ |
作品紹介
タイ北部にあるミャンマーとの国境の町メーソットとウンピアム難民キャンプを舞台に、2人のマイケルに焦点を当てる。同じロヒンギャでありながらも、経済的な状況も育ってきた環境も異なる2人は、それぞれ生活に苦労しながらも、タイとミャンマーどちらにも属さないロヒンギャとしての自らのアイデンティティを保とうと奮闘する。
Kunnawut Boonreak
監督
1990年生まれ タイ出身。タイのブラパー大学でジャーナリズムを学び、現在チェンマイ大学の社会学・社会開発学の修士課程在学中。最初のドキュメンタリー作品『Laemchabang, the Wave of Sorrow』が第16回タイ短編映画・ビデオフェスティバルに入選。また今回の作品『Michael’s』は2015年に第19回タイ短編映画・ビデオフェスティバルにてデューク賞2位、またフィリピンの第2回アジトプロップ国際映画祭にて公式招待された。
監督のコメント
タイにあるミャンマーとの国境の町メーソットで、修士課程の研究プロジェクトを行っていた際に、ロヒンギャのコミュニティを知ることとなった。映像人類学を学んだ経験から、私はそこにドキュメンタリー制作の可能性を見出した。
元の国家や民族の居住地を離れて暮らす人々のコミュニティ(※ディアスポラ)のアイデンティティは常に不安定であり、ロヒンギャも同じくそうである。ディアスポラとは何であるかを定義することが難しいように、ロヒンギャのアイデンティティについても同じことが言える。この作品の中の2人のマイケルは、どちらも同じロヒンギャでありながら、生活環境、移住経験、市民権、文化的アイデンティティなど、直面する状況は異なる。しかし、2人に共通している部分は、2人とも他者が受け入れる「アイデンティティ」を求めていることだ。この作品では、ミャンマーで闘争を引き起こす凶暴な役や被害者などの描写に見られるロヒンギャの古い主流のイメージに対抗し、メーソットのロヒンギャの暮らしを探求することを目指した。最後に、ロヒンギャの間でどのようにアイデンティティが形成されていくかその過程を探求することで、難民研究での知識を広めることができればと思う。
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