タイトル | 60日 |
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監督 | Htut Ye Kyaw, Sett Paing Aung, Pyay Maw Thein |
撮影地 | マンダレー/ ヤンゴン |
制作国 | ミャンマー |
VDP上映年 | 2016 -日常生活のポリティクス- |
上映分数 | 31min |
使用言語 | ビルマ語 |
字幕 | English/ Japanese |
タグ | デモ, ヤンゴン, 学生運動, 教育 |
作品紹介
ミャンマーの教育改革法案をめぐる学生対政府の対立のさなか、60日間の休戦期間が2014年11月17日に提示された。ミャンマーの教育の歴史において、教育改革にむけて重要な一歩となったこの運動に関わった学生たちのインタビューを含みながら学生による抵抗を探求した作品。
Htut Ye Kyaw
監督
1990年生まれ。ミャンマーのパコック出身。2015年にパコック大学を卒業。2015年にミャンマーの国際人権映画祭にて「60日」が選出され上映される。また同作品は2015年にタイのチェンマイ大学にて行われたミャンマーに関する会議でも上映された。
Sett Paing Aung
監督
1991年生まれ ミャンマーのモン州、ビーリン郡出身。2012年にモーラミャイン大学の法学部を卒業。学士号取得後に法律家となる。2015年にThe Human Dignity Film Instituteにて映画制作を学ぶ。詩人・作家・映画制作者として活躍中。
選考委員コメント
関連作品
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ガラス・マン
カウンテッは20歳の青年だが、身長は110センチ余りしかない。骨粗しょう症に苦しむカウンテッの骨はガラスのようにもろく、生まれてから40回以上も骨折を繰り返してきた。子供のころは外に出るのが怖く、自分の境遇に落ち込むばかりだったが、障がい児の特別支援学校に通い始めてカウンテッは人生への見方と考え方を変える。- 国
- ミャンマー
- 監督
- Zay Yar Aung
- 時間
- 20min
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ドラム・レボリューション
『ドラム・レボリューション』は、ミャンマーの政権を掌握した国軍がクーデター後に行った冷酷な殺人を証言している。このドキュメンタリーは、市民社会が立ち上がって抗議した経緯をありのままに語り、団結して軍政に公然と抗議した「ドラム・レボリューション」という団体に焦点を当てる。2021年3月初めにヤンゴンとミャンマー 全土を襲った混乱を現地から批判的に振り返る。- 国
- ミャンマー
- 監督
- サイチョーカイン
- 時間
- 25min
清水 展
京都大学東南アジア地域研究研究所名誉教授 文化人類学
ミャンマーのテイン・セイン政権が崩壊するに至ったきっかけのひとつとなった学生運動のドキュメンタリーである。2014年9月に成立した国民教育法が、学問の自由を侵害するとして学生らの抗議活動が始まった。政府は改正に向けて議会審議に着手したが、2015年に入り、学生の反対運動は活発化していった。警官隊の過剰な警備排除の活動が欧米の非難を受けた。それが学生たちの間接的な応援歌となって、学生の意気も上がり、運動が高揚した。その当時の実写映像を交えながら、活動家学生、共感や懸念を抱く教員、教育相特別顧問らのインタビューや回顧談を紹介し、出来事の全体像を描こうとする力作である。ドキュメンタリーが事実に肉薄し、客観的な記録を残すもの、という初心に忠実な作品である。エンディング・シーンで流される警官隊の過剰で攻撃的な排除活動の実写映像が、結局は倒された軍事政権の象徴的な総括とされている。その意味では、きわめて明確な政治メッセージがある。