INTRODUCTION
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最後の世代
インドネシアの大アチェ州の沿岸村における漁業資源の減少を描く。 監督のDarang Melati Zは、漁民たちに対して丁寧なインタビューをおこない、 漁師による違法な漁業活動がもたらすグループあるいは個人への影響を明らかにする。 作品は、沿岸を破壊し、広大なサンゴ礁を死滅させ、漁獲量の激減をもたらした2014年のインド洋大地震を背景としている。 爆発漁法中の事故で両脚を失った漁師へのインタビューを通して、 地域の漁業社会が直面する厳しい現実と不安が描き出される。- 国
- インドネシア
- 監督
- Darang Melati Z / Riza Andrian
- 時間
- 13min
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命を守るマングローブ
ミャンマーの北西部沿岸地域のラカイン州の岸部の村落は、毎年、洪水とサイクロンの被害にさらされてきた。 Malteser InternationalとMangrove Service Networkは、 2008年から2011年にかけて、シットウェというタウンシップの二つの村に対して援助をおこない、 約10,000本のマングローブを植樹・育成し、これが現在5,000人以上の命を守っている。 海岸沿いの風景をアクセントとして挿入しつつ、この作品は、環境変化によって深刻化する災害リスクを軽減するための、 マングローブ林復元の重要性を映し出す。 とりわけ、共同体を守り助けるための環境重視の構想において、村の女性たちがいかに重要な役割を 果たしてきたかを、繊細に描き出す。- 国
- ミャンマー
- 監督
- Philipp Danao / Khin Myanmar
- 時間
- 15min
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おじいちゃんの水路は永遠にふさがれた
監督のSupaparinya Sutthiratは観客とともに、かつては水上交易の水路として使われてきたピン川を下る船旅に出る。 スクリーンは、現在の川の様子と祖父の代にあった風景とを並べて映し出しながら、変わりゆく川べりの風景に思いをはせる。 1958年のプーミポン・ダムの建設によって、風景は大きく変わってしまった。 監督は、現代のピン川を下りながら、観るものを、過去を理解し、現代社会の問題を見据える旅に誘う。 小さなダムや水門を通り、水源からプーミポン・ダムへ次々と連なる堤防に沿って映し出される映像は、スプリット・スクリーンという革新的技術を駆使しつつ、 川の変化がもたらす衝撃を位置づけるクルージングの旅へと、観るものを連れて行く。- 国
- タイ
- 監督
- Som Supaparinya
- 時間
- 15min
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沈黙の夏
この作品は、ベトナムにおける人間社会と環境の関係を描いた複数の物語で構成される。 町中の公園では、夏は繁殖期であるはずなのに、人々はセミや虫の鳴き声を聞くことがない。 田舎の田園地帯では、殺虫剤や除草剤が振り撒かれ、子供達はもう自然が奏でる生命の声を聞くことがない。 実験室では、昆虫学者が近い将来の絶滅を怖れてセミやコオロギなどの標本を集める。 このドキュメンタリーは、ベトナムの風景の中に起きている変化を、痛切に映し出している。- 国
- ベトナム
- 監督
- Mai Dinh Khoi
- 時間
- 25min
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山に響くこだま
タイ北東部、幹線道路からはるか奥地の、電気すら通らない村で暮らす “PgazK’Nyau”(素朴な人々)と呼ばれるカレン民族の村人たちに焦点をあてる。 取り巻く自然のなかで、かれらはどのように生き、何を考え、何を信じ、何を守ろうとしているのか。 Jirudikal Prasonchoomは、その繊細な手法で、かれらの信仰、世界観、調和、自然を護る方法を、映像として捉える。 これと並行して、作品では、かれらの森を国立公園にし、かれらの土地にダムを建設しようとする政府の思惑が描き出される。 映像は、周囲の自然との関係のなかで生きる人々と、地域の開発を正当化する政府の手法との対峙が生み出す緊張を描きだしている。- 国
- タイ
- 監督
- Jirudikal Prasonchoom / Pasit Tandaechanurat
- 時間
- 19min